2015.10.20発行WIND FROM FUTURE Vol.40
2015.10.20発行
目次
■「より分かりやすく、より簡単に」をコンセプトにリニューアル
新・自主警備型セキュリティシステム「ライフディフェンス・エア」12月発売予定
■ライフスタイルにあわせて必要な機能だけ選べます!
■高品質フィトンチッド消臭器を発売しました
□SEIHO施設への視察をおすすめしています
□パネル型換気扇の改善について
□価格改定のお知らせ
HISTORY OF S ~SEIHO小史~
第40回「西邦スポーツランド構想」ー後編ー
福岡と佐賀を結ぶ通称県道五号線交差点から西に折れると、雪をいただいた背振山が、尾根筋をくっきりと浮かべてそびえる。道路の両側は丘陵で、上の方まで新しい住宅が行儀よくならんで見える。背振山が視界に大きく迫ってくるあたりで、クルマの右手丘陵地に平野台団地が見えてくる。
団地の中を通り抜け、左折して山道に入る。なだらかにカーブした山道を、右に左にと五、六分登れば左手一帯に目的の土地が見えてくる。急勾配の取りつけ道路をゆっくり進む。鉄柵で閉ざされた門がある。門の中に入ると、赤茶けた枯草に覆われ、若干形を失いかけてはいるが、二段の台地が確認できた。トラップ射撃場とスキート射撃場のコートである。「強者どもの夢の跡」である。
北側の斜面によじ登る。杉木立の向こうに福岡の市街地が開けていた。ビル群の上に海の中道から志賀の島につづく博多湾がくっきりと見えた。周囲は縁に囲まれた処女地のようだ。道路もある。
ここを中心に半径二〇キロの円を描けば、福岡市の博多、南、早良区をはじめ春日市、大野城市、筑紫郡那珂川町、朝倉郡、佐賀県三養基郡まで円内におさまる。クルマで三、四〇分以内で来れる人口は、ゆうに一二〇万人を超えるだろう。
射撃場跡地に立って、スポーツランドの青写真を重ねてみる。広さは十分だ。造成費もそうかからない。これならいけそうだ。断るつもりできたが、まったく反対の気持ちになって帰ってきた。
さっそく銀行に相談した。融資の話がうまく進み、三月に無事所有者と売買の契約を交わした。そして六月、本登記を済ませた。ここまでスムーズにことが運んだ。年内に開発申請を行い、恐らく平成七年中に開発許可が下りるであろう。そうすれば、平成八年十二月ごろ「西邦スポーツランド」は華々しくオープンできるであろう。