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床下換気
床下換気に関する情報
1981年、日本で初めての床下換気システムが発売されました。 そのきっかけはさらに5年前にさかのぼります。それは知人との何気ない会話でした。 最近、早朝に散歩していると新築中の家が多くある。その大工に今の住宅はどのぐらいの寿命があるのか尋ねてみた。 大工が言うには、おおよそ15年から20年で住宅の床が駄目になるという。 『サラリーマンが死にものぐるいでがんばってやっとの思いで建てたマイホームが20年ともたないのか。あんたたちはなぜそんな家しか建てないんだ。』 大工曰く、『しょうがないんですよ。日本は湿気が高いからどうしても床下から湿気で傷んできて、ひどいところは建てて5年経たずに床を張り替えなければならないところもあるんです。』 『床下には通気口があるのになぜ湿気るんだ?』 『通気口はあるんですがうまく風が流れていない。床下の中に基礎とか障害物があって…それに隣の家は接近してますし、塀もあるから外の風が床下に流れ込むことは難しいんでしょうね。』 この会話にピンときた開発者は、専門分野のモータ技術を使って試作を作りました。試作第一号は床下に風を送り込む、いわゆる給気タイプ。 しかし床下にどんどん空気を入れているのに他の通気口からはいっこうに風が出てきません。調べると、床下の空気は湿っていて重たく、外から乾いた軽い空気をいれてもすぐに空気抵抗がおこり風が分散してしまう。 そこで逆の発想で床下の空気を排出させる排気タイプをすぐに試作しあらためて実験。床下の空気を排出させると他の通気口から勢いよくどんどん風が入ってきました。 そしてそのままの状態で1年後、その家の押し入れに敷いてあった新聞がカラカラに乾き、毎年出ていたムカデがパッタリ姿を見せなくなったという結果に。これが床下換気システム誕生の瞬間でした。 ■写真は「プッシュファン」試作品 その後3年間の検証実験を経て発売されたこの商品(プッシュファン現風太郎)は20年以上のロングセラー商品に成長し(1990年実用新案登録)市場の声を反映させ日々改善されてきました。 そして今、次世代商品として開発されたハイブリッドコントロールシステム「タービン・ユニット」は、そのノウハウの集大成でもあり、現在もさらに進化し続けています。 現代住宅の弱点 屋は高温多湿の気候に合わせ、自然や四季との調和を考えた知恵の結集でした。床下に注目してみると高さを十分にとり、現在のような布基礎に囲まれることのない開放的なつくりでした。 その結果、四季を通じて自然の風が床下に取り込まれ、木材にとっても良好な環境が保たれていたのです。 現代住宅は高断熱高気密が進んでいますが、近年その弊害が指摘されはじめています。 『住まいの換気不足による様々な問題』 これは床下でも例外ではありません。床下の湿気による木材腐朽菌やシロアリ・ダニなどの害虫の発生。これは建物自体の強度劣化の原因でもあります。 建物をいつまでも健全な状態に保つためにも床下の換気はとても重要なのです。 ①住まいの寿命をのばします。 床下の腐朽やシロアリの被害。これらは住まいの大敵「湿気」によるもので、土台の強度までも劣化させます。1995年の阪神淡路大震災における倒壊家屋のほとんどに、シロアリの被害や腐朽が見られたとの調査結果が出ています。 住まいの見えない床下の空気を活発に動かすことで、シロアリや腐朽菌などの不快害虫の繁殖条件や湿気の原因となる結露の発生を低下させます。 ②家族の健康に役立ちます。 住まいの換気不足による家族への健康への影響がいまクローズアップされています。 シックハウス症候群をはじめとした様々な病気、そしてここ数年増えてきた夏型過敏性肺炎やアトピー性皮膚炎。その主な原因はなんと屋内に発生したダニやカビなどと言われています。 抵抗力のある大人といえども油断はできません。こうした病気から家族を守るためにも屋内の換気とあわせて、シロアリやカビの温床となる床下の環境改善が不可欠です。 福岡大学工学部建築学科教授 須貝 高 氏 アドバイザー 九州すまいづくり研究会主宰。各地で普及・啓蒙活動を行っている健康住宅研究の第一人者。各種雑誌・新聞ほか、テレビ番組に出演するなど、幅広く活動中。 現代住宅は気密性・断熱性に優れています。しかしその一方で床下をみますと湿気も多く建築材も湿気に侵されている場合も多いのです。床下には大事な基礎等がありますがそれが腐っているケースもありますので十分注意が必要です。 床下の湿気が畳や床にあがってきて、ダニやカビが発生します。ダニの糞を吸うと抵抗力のない赤ちゃんやお年寄りには大きな負荷になります。 また、湿気を含んだ木材というのは耐震性も弱まります。水分を多く含むと木材が柔らかくなりちょっとしたショックで大きく変形するのです。 建物は乾燥した木材をうまく使うことで強度は十分強くなります。 私どもは阪神大震災を現地で調査したのですが、水回りの部分の湿気ていてそこが崩れているケースが非常に多かった。土台についてもシロアリによる食害によって崩れてきている。これらの事例を考えても、床下の湿気を取り除き、外の乾燥した空気を床下にも取り入れることが大事であることがわかります。 床下には床下換気口というものがついていますが、思っているほど床下の空気は移動しません。当然そこに湿気もたまってきます。 そういった意味では床下に強制的な換気を設け、湿気のある空気をうまく外に排出させ、新鮮な空気を他の換気口から取り入れる。床下全体くまなく通風されると床下は非常に強度が上がっていきます。 床下を調査すると水回り部分の湿度が非常に高くなっています。そのポイントを強制的に換気させることは特に大事です。 また、シロアリは動く空気を嫌いますので空気を活発に動かすことも大事です。 世界をみましても、これだけ雨が降って湿気が多いのは日本だけです。また地震がこんなに多いのも日本だけです。昔の日本人は高温多湿の気候に対していろいろな工夫をしてきました。着物も体全体に空気が通るように考えられていますし、建築では神社仏閣などの高床式で床下の風通しは十分考慮されていたのです。そう考えると、建物を支える床下の風通しを良好にさせ、乾燥した床下にすることは耐震対策にもつながるとても大切なことであることがわかります。 床下換気システム 含水率 データ ①テストハウスにおける床下換気システムの効果実験 >>>DATA FILE ① 含水率 データ ②既存住宅における床下換気システムの効果実験 >>>DATA FILE ② フィトンチッド データ ③シロアリによるフィトンチッドの防虫効果試験 >>>DATA FILE ③ フィトンチッド データ ④ダニによるフィトンチッドの防虫効果試験 >>>DATA FILE ④ その他 データ ⑤既存住宅における床下換気システムの効果(1) >>>DATA FILE ⑤ その他 データ ⑥既存住宅における床下換気システムの効果(2) >>>DATA FILE ⑥ 小屋裏換気システム 温度 データ ⑦テストハウスにおける小屋裏温度データ >>>DATA FILE ⑦ 温度 データ ⑧テストハウスにおける小屋裏・室内温度データ >>>DATA FILE ⑧ 結露 データ ⑨小屋裏を想定した結露実験 >>>DATA FILE ⑨ セイホープロダクツ株式会社では、一般のお客様や販売店の皆様に向けて、SEIHOをより深く知っていただくことを目的としたテクニカルセンターなど諸施設の見学会を実地しております。こちらでは、「テストハウス」「シミュレーションスタジオ」「商品効果確認実験設備」などをご紹介して参ります。 ●シミュレーションスタジオ シミュレーションスタジオは一般住宅の基礎を実物大(約10坪)で製作し、床下換気扇を設置した時の床下の風の流れをスモークにて確認ができる装置です。 現代の住宅は耐震構造を高める為、中基礎を迷路のように設ける傾向があります。そのような基礎等に排気ファンだけでは補えない淀む所の確認や補助ファン(撹拌や拡散送風機)を追加した場合の効果が確認できます。 また、通常の換気口タイプ(べた基礎)と基礎パッキング工法どちらも場合もシミュレーション対応可能ですので工法に応じた換気扇の最適な設置方法も確認できます。 ●テストハウスA/B 全く同じ形70平方メートル(10×7m)2棟の建物を「テストハウス」として設置しています。床下は半分に仕切られ、それぞれ土の布基礎と、コンクリートのベタ基礎になっています。同一条件下でのあらゆる比較実験が可能で、収集されたデータは無線を通じてパソコンに集計され、分析されます。 ●モータ特性自動測定システム 【モータ開発】 ブロワー型やパネル型など換気扇形状に応じて、当社では独自に設計した専用モータを使用しています。 ブロワー型では樹脂キャビネットを生かした二重絶縁と、モータが空冷される構造により、小型でもパワフルなモータ性能を実現。パネル型ではモータ内部に専用の絶縁樹脂を挿入することで、ステンレスタイプのパネル型換気扇専用の二重絶縁構造となっています。 モータ性能はコイルの線径や巻き数など様々な要因で変化しますので、実機に合わせ、最適な性能のモータを設計する必要があります。 また、万が一ファンモータに何らかの原因で異常発熱した場合はモータ内蔵の温度過昇防止装置(温度ヒューズ)が動作し、換気扇の電源が切れるよう安全な設計になっています。 【モータ測定自動測定システム】 当社では専用設計された「モータ測定自動測定システム」を導入し、自社でのモータの設計・開発が可能です。この装置ではモータの回転数に応じてトルク、消費電力、および電流などのデータをコンピューターに自動入力し、それらの値をグラフ化して確認することができます。これによりモータ固有の性能が全て把握できるので、換気扇タイプ別により精度の高い、専用のモータの設計を行うことができます。 ●風量測定装置 ダブルチャンバー方式を採用した風量測定機で精度が高く、JISやISO,AMCA等の規格に基づいて製作された装置です。 ファンの基本性能になる風量や静圧(P-Q特性)を測定し、使用環境に応じたファン設計の測定・検証が可能です。 また、ファンの改善や仕様変更時に性能に問題がないかや量産品の性能品質が低下していないか監視等の検証にも使用します。 ●環境試験設備 製品寿命は、床下換気扇や天井裏換気扇が実際に使用される最悪に環境条件を仮定し、信頼性テストがされているかが重要なポイントになります。 この「低温恒温恒湿器」は機器内部でさまざまな温度、湿度状況(温度-40~+100℃/湿度20~98%RH)を再現することのできる環境試験用設備です。 現地でテストをしなくても、冬の北海道の床下、夏の沖縄の天井裏などの温度変化、湿度変化を作り、実際に近い使用環境状態で、換気扇やモータなどの信頼性テストが可能になります。 ●3次元CAD設計ソフトウェア CADワークスステーション構成 SolidWorks Professional × 1台 SolidWorks Standard × 1台 製品開発各ステップ (①1次試作設計、②試作製作及び設計検証、③量産設計、④量産試作及び量産設計検証)時に3次元CADシステムを活用し、複雑・高度な製品設計開発/検証(シミュレーション)を迅速に行います。 ●流体解析 ■設置条件 機種:20W 排気3台 ■設置条件 機種:20W 排気2台/給気1台 床下の気流の流れを科学的に分析するため、工学専用気流(流体)解析ソフトでシミュレーションを行ないました。 非常に高度な計算をするソフトで、基礎、換気扇の風量、風速等いろいろな条件をコンピュータにインプットして計算します。 その計算結果を右図のように画像で見ることができます。 ●騒音テスト測定装置 無響室は換気装置やモータが発生する音を外部からの騒音や反響音に影響されることなく正確に測定するための設備です。 この無響室はパネル式で大きさは4m×4m×2.5mの内容積があり、性能は遮音特性:500Hz 62dB(A)、室内暗騒音:20dB(A)です。 騒音を周波数解析するFFTアナライザーを使用し、騒音の特性や要因を割りだし、より静かな製品の設計や品質検証に活用しています。 ●寿命試験室 寿命試験室は量産品、部品の耐久性や寿命に対する確認を行うための施設です。 連続運転、間欠運転、ファン負荷運転などの試験を実地し、お客様に安心してお使いいただけるように長期にわたって継続監視を行います。 ●第三者認証制度 第三者認証機関である電気安全環境研究所(通称JET)にて、製品および生産・管理体制が、電気用品安全法基準と電気用品の技術基準を満たすとして公的評価を受け、安全・安心して使用できる製品として認証を取得しており、年1回のJETによる監査で基準の維持が評価されています。型式シールにはその証としてSマークが表示されています。 ●関連情報
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換気扇を10年以上使用しているユーザー様へ重要なお知らせ
使用が10年を経過した製品は 点検を実施するまでは使用を停止し、 点検を行ってから 再度ご使用頂きます様お願いします。 【換気扇及び送風機を安全・安心してご使用していただくために】 弊社換気扇及び送風機の設計上の標準使用期間 は 「10年」と設定しています。 (長期使用製品安全表示制度) ※設計上の標準使用期間を超えて使用されますと、経年劣化による発火・けが等の事故に至るおそれがあります。 ※セルフチェック(経年劣化の目安) モーターカバー表面のサビが30%を超えている場合、モーターなど安全重要部品の交換時期となります。 (注意:特に使用期間15年以上の換気扇は異音等問題なく動作していても、モーターなど内部部品が劣化し、発火・けが等の事故に至るおそれがあります。) 詳細はこちら 【点検について】 ・点検は換気扇を販売・施工した業者へ問い合わせ及び依頼をお願いします。 ・販売施工した業者が不明、連絡がつかない、廃業したなどの場合、弊社へお問い合わせ頂きますと点検等対応可能な業者をご紹介いたします。 ※基本的に点検や部品交換費用はお客様負担となります。 ●「⚠重大事故防止のためのお願い」資料ダウンロードはこちら ◎換気扇を安心してご使用頂くためのお願いです(チラシPDF)はこちら