WIND FROM FUTURE 2004

SEASONS COLUM
WINTER EDITION
(株)エコ・ロジックコンサルタンツ
代表取締役 植本 阿良樹氏

FORZAスローライフコーディネーター
一級建築士

4-2004
WINTER
EDITION

風と住まい
〜家の隙間〜


風と住まい『家の隙間』

 
私の育った家は、造り酒屋の住居部分を祖父が買い取った、築80年ほどの屋敷だった。
十いくつかの部屋と土蔵があり、造りは立派なのだが、なにしろ昔の家で隙間も多い。

 吹雪の夜、2階で寝ている私の布団の上にはうっすらと雪が積もっていることもあるほどだった。
しかしこの隙間のお陰(?)で、炬燵やちゃぶ台で炭を使っても一酸化炭素中毒になることなど決してなかった。

 当然換気扇は家中探しても一台もない。
シックハウス症候群などというものとも全く無縁な暮らしだった。(もちろん家の造作の材料も自然のものであったわけだが)。

 転じて現在の日本の家を見てみると、最低レベルの建売の家ですら高気密仕様となっている。
こんな家の中で炭を使ったら、それこそ流行の集団自殺状態になりかねない。

 昔の日本家屋において「隙間」が安全に暮らすために必要なものだったとしたら、現代の家に必要とされる「換気システム」は、いわば現代の家における「隙間」と言えるのかもしれない。



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